リワーク

リワークプログラムの費用は?通う期間やその間の給与も含めて徹底解説

リワークプログラムの費用
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精神疾患で休職し、復職を考えた際に利用したいのがリワーク。

しかし、リワークにはどのくらいの費用がかかるのか気になりますよね?施設によって表示されている料金が違っていたりします。

実は、リワークの施設の種類によっては高額になる可能性も…

そこで今回知っておきたいのが、リワークの施設別の利用料金

事前にしっかりリサーチしておくのが、なるだけ良い施設を安く利用するためには重要なポイントです。

今回の記事では、こちらについて詳しく解説!

  • リワーク施設種別の料金
  • 自身の収入によって料金がどのように変わるのか?
  • それぞれのリワークの特徴

リワークの費用に加えて、それぞれの特徴も解説しています。

リワークの利用を検討している人やリワークについて疑問点がある方は、ぜひこの記事を参考してくださいね。

\ この記事の監修者 /
仮屋 智之顔写真
就労移行支援事業所で支援業務に携わり、精神疾患や障害をお持ちの方のメンタルヘルスケアやキャリアアップのお手伝いをしています。

リワークプログラムにかかる費用

リワーク料金はやみ表

現在では医療機関だけでなく精神疾患の休職者を対象に、

主に医療機関や公的機関、会社、民間の事業所で4つの主体で実施されています

それぞれの実地主体別に様々なプログラムが用意されており、体力の回復や、自己理解を深めること、ストレス対処法を身に着けることなどが可能となり、

リワークプログラムを受けることで、再休職や退職リスクの軽減が期待できます。

また、実施主体別に行うリワークの内容や費用も異なっており、それぞれの特徴や内容について解説していきます。

リワークの実施主体

医療リワーク(精神科デイケア) 精神科クリニックや病院
職リハリワーク 地域障害者職業センター
職場リワーク 企業内
就労移行支援でのリワーク 就労移行支援事業所

 

病院やクリニックが主催して行う「医療リワーク」、地域障害者職業センターが行う「職リハリワーク」、企業内で実施される「職場リワーク」、

そして、民間で行われる就労移行支援・自立訓練による「就労移行支援でのリワーク」です。

それぞれの機関でリワークを受けることができますが、対象となる人や費用、プログラムの内容や特徴は異なります。

ここでは、それぞれの機関の対象者、費用、特徴とプログラムの目的について紹介します。

それぞれ、4つの実施主体により料金は異なります。

医療リワーク 一日あたり2,470円(自立支援医療により1ヶ月の支払い限度有)
障害者職業センター 無料
職場リハ 無料
就労移行支援 無料〜37,200円

リワークが無料で受けられる実施主体としては障害者職業センターで行われると職場で行われるリワークは当然無料で受ける事ができます。

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精神科デイケアで行われる医療リワーク

この場合は、3割の負担となり自立支援医療(精神通院医療)を所持している場合は、一月あたりの支払い上限が所得に応じて設定されます。

一日当たりの料金 デイケア利用初日 利用開始から1年まで  1年目以降
・1割負担の方(自立支援医療利用の方)(注) 1,040円  820円 770円
3割負担の方 3,110円 2,470円  2,320円
自費の方   10,380円 8,230円 7,730円

 

また、他の実費分としては昼食代や教材費などが必要になる場合があります。

医療リワークは自立支援医療での利用となる

前述の自立支援医療(精神通院医療)について、医療リワークを利用する場合は、原則的に自立支援医療(精神通院医療)という、制度を利用して通う事となります。

こちらは、診察代やお薬代、そしてリワークも含めた月額の医療費が所得に応じて支払う自己負担上限が決まる制度です。

また、窓口負担額が1割となります。

自立支援医療を利用した医療リワークの料金例

自己負担上限額が5,000円と記載された自立支援医療受給者証をお持ちの場合

  • お薬 窓口自己負担額代 3,000円
  • 診察 窓口自己負担額 3,000円
  • リワーク 窓口自己負担額 10,000円

の場合は、上限を超過した1000円とリワークの窓口自己負担額に関しては、自己負担を支払う必要はありません

所得については、年収が833万円以下の方は、

一月あたりの支払い上限が1万円以下に設定されます。

参考:自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み

ですので、ほとんどの方が月額1万円以下で医療リワークを利用できる事でしょう。

 

ただし、リワークで利用する場合は、受給者証記載の医療機関でのみ自己負担上限額が適用されますので、

かかりつけ医以外の精神科デイケアリワークを利用する場合は、あらかじめ申請する必要があります

 

以下は、所得別の自己負担上限額です。

自立支援医療自己負担上限額

画像引用:https://www.tomioka-town.jp/soshiki/kenkodukuri/kenkozukuri/gyomu/3947.html

 

参考:厚生労働省:自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jiritsu/dl/01.pdf

就労移行支援で行われるリワーク

この場合は、前年度の所得に応じて毎月利用料を支払います。

前年度の収入が概ね300万円以下の場合は、無料にて利用できます。

また民間特有の特徴として、施設ごとに交通費や昼食代を無料にしている施設などもあり

補助内容は施設ごとに大きく異なります。

以下のような料金体系となります。

生活保護受給世帯 0円
市町村民税非課税世帯※注1 0円
市町村民税課税世帯(所得税16万※注2未満) 9,300円
上記以外※注3  37,200円

*注1:3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。

*注2:前年度収入が概ね300万以上~600万円以下の世帯が対象になります。

*注3:前年度収入が概ね600万円以上の世帯が対象になります。

出典:厚生労働省障害者の利用者負担

 

少し難しいので、実例を踏まえてご説明すると

就労移行支援リワークの利用料金の例

前年度の年収が300万円の方であれば、利用料金0円

前年度の年収が600万円の方であれば、利用料金37200円

その中間にあたる人が利用すると、利用料金9300円

つまり、前年度の収入により利用料が決まる仕組みです。

また、施設により交通費を全額補助しているなどサポートを行なっている施設もあります。

参考:交通費支給を行なっている就労移行支援

実施主体別のリワークを受ける条件

リワーク対象者はやみ表

リワーク受ける条件

リワークの種類 必要な物 対象者 注意点
医療リワーク かかりつけ医である必要 休職者のみ かかりつけ医のいる医療機関のみ
障害者職業センター 診断書 休職者のみ 休職者のみ・公務員は対象外
職場リハ 診断書 休職者のみ 所属する企業
就労移行支援 診断書 休職者・退職者も対象 特になし。

就労移行支援では、休職者以外にも退職してしまって転職を視野に入れる方も対象となります。

逆に、医療リワーク・障害者職業センター・職場リハでは休職者のみを対象としておりますので注意が必要です。

また、障害者職業センターによるリワークでは主治医・事業主・本人の三者の同意が必要となります。

大阪障害者職業センター:障害のある方へのサービス

公務員の方のリワークの利用

原則的に公務員の方(国・地方公共団体・特定独立行政法人にお勤めの方)は、障害者職業センターの職リハリワークについては利用する事ができません

こちらについては、雇用保険適用主の民間企業の休職者のみが対象となります。

参考:大阪障害者職業センター リワーク支援について

https://www.jeed.go.jp/location/chiiki/osaka/27_osaka_service1.html

しかしながら、公務員の方で休職した場合は精神科デイケアでの医療リワーク又は就労移行支援でのリワークの利用は可能なため、

もし公務員の方で休職した場合は、いずれかの利用を検討ください。

 

リワークに通う期間

リワークは費用がかかるため、期間は気になりますよね。

リワークの平均期間に関しては、国の統計的データなどは出ていないのですが、

私が勤務していた施設での実績で言うと、短くて4ヶ月、長くて1年程度の期間を要します

他のリワーク施設の平均リワーク期間をまとめると

4〜8ヶ月程度ですので、半年程度見ておくとよいでしょう

リワーク期間中の給与について

試し出勤の注意点

原則的に、休職期間中において給与は出ません

そのため、傷病手当での生活が原則となります。

又、傷病手当の最大受給期間は1年6ヶ月となるため

その期間内でリワークを終わらせて職場復帰を目指す形となります。

試し出勤制度を利用する場合

 

企業によっては試し出勤制度を導入している場合があるかと思いますが、

注意点として業務に従事している時以外は、賃金は発生しません。

逆に試し出勤といえども、業務に従事した時点で傷病手当の支給がストップされますので注意が必要です。

参考:「医師の指示又は許可のもとに半日出勤し、従前の業務に服する場合は支給されない。また、就業時間を短縮せず配置転換により同一事業場内で従前に比しやや軽い労働に服する場合は支給されない」(S29.12.9 保文発第14236号)

試し出勤制度では以下のような、パターンが考えられます。

試し出勤制度の例
  1. 模擬出勤:勤務時間と同様の時間帯にデイケアなどで模擬的な軽作業を行ったり、図書館などで時間を過ごす。
  2. 通勤訓練:自宅から勤務職場の近くまで通勤経路で移動し、職場付近で一定時間過ごした後に帰宅する。
  3. 試し出勤:職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する。

参考:厚生労働省:職場復帰の手引き P6

https://www.mhlw.go.jp/content/000561013.pdf

 

試し出勤に関しては、労使間に自由に決定できますのでお考えの方は所属企業の人事部に問い合わせてみましょう。

それぞれのリワークの特徴と選び方

料金がわかったところで、それぞれのリワークの特徴を解説いたします。

それぞれの特徴を知る事により、自身がどの制度に基づいたリワークを利用するべきかが明確になります。

精神科デイケアでのリワーク

対象者は、復職意欲のある休職者です。そのため失業中の方は利用できません

費用は保険適用となり、自立支援医療制度の利用も可能です。

 

医療リワークの特徴として、医療機関で実施されるため専門医や保健師などの専門家のフォローを受けながら復職の準備を行うことができます。

心理的なフォローも受けられるため、安心感をもってプログラムに参加することができるでしょう。

 

プログラムの目的は、病状の回復と再発による再度の休職予防であることが多く、プログラム中に病状の回復と安定を目的とした治療も含まれています

リワークを実施している医療機関は限られているため、通院先の病院でリワークを実施していない場合は転院が必要になることもあります。

そのため医療リワークを希望する場合は主治医としっかり相談することが重要です。

精神科デイケアでのリワークの特徴

原則的には、通院する医療機関でのリワークとなりますので、

休職に至った症状にフォーカスを当てたリワークが可能となります。

しかしながら、休職を機に転職も視野に入れる場合や医療機関で行われるリワークが肌に合わない場合は

他の民間で行われるリワークなどを視野に入れる必要があります。

障害者職業センターで行われるリワーク

精神科や心療内科の主治医から何らかの精神疾患があると診断された方で、復職意欲のある休職中の方が対象となります。精神障害者保健福祉手帳の有無は問われません

 

退職している場合や、休職していない場合は対象外です。また、雇用保険財源事業のため公務員は対象外となります。費用は基本的に無料です。ただし施設によっては有料の場合もあるため事前の確認が必要です。

 

参考:地域障害者職業センターの精神障害者職場復帰支援(リワーク支援)について

 

障害者職業センターで行われるリワークの特徴

何より費用面では、無料である事が挙げられます

そして、リワークを受けられる本人だけでなく、雇用主である企業も対象に挙げられる事が最大の特徴です。

公的な機関から、企業側への働きかけがある事により

雇用主へも理解力の向上も狙えます。

しかしながら、企業との関係性なども考慮する必要があるため

その辺りをしっかり見極め利用するようにしましょう。

 

各都道府県に設置されている障害者職業センターが主体となり実施しています。センターのコーディネーターが、利用者・雇用主・主治医と連携してプランを作成する体制が構築されます。

プログラムの主な目的は職場への適応です。そのため病気の治療は目的ではありません

 

職場で行われるリワーク

職場リワークとは、事業所の内部に医療機関や専門部署を設置している企業や役所で実施されている、復職に向けたプログラムです。

そのため職場リワークを実施している企業や役所の休職者が対象となります。

 

実施機関は企業のほかに、厚生労働省の定める「EAP(従業員支援プログラム)」サービスを利用している職場もあります。費用は原則企業負担です。

 

ご自身の職場にリワーク制度があるかについては、人事部や総務部に確認してみましょう。職場リワークの特徴は、企業が主体となり実施しているという点です。プログラムの主な目的は、安定した就労ができるかを見極めることです。

 

職場で行われるリワークの特徴

導入する「EAP(従業員支援プログラム)」により、内容が異なる事や自身ではリワークのプログラムが得られない事が挙げられます。

原則「EAP(従業員支援プログラム)」は、企業側が選んでお金を払い利用しているため、企業側の選ぶ基準とリワーク対象者に必要な事が一致するとは限りません

また、中小・零細企業ではほとんどの場合実施していないため、理解が得られるように前述の障害者職業センターでのリワークや、後述する就労移行支援でのリワークなどを利用して企業側への働きかけを促しましょう。

就労移行支援でのリワーク

 

こちらは福祉事業所である、就労移行支援事業所(自立訓練事業所)が行うリワークとなります。

利用にあたっては、精神疾患の診断書のみで利用できます

本来就労移行支援事業所では、障害を持つ方が就職を行う際に就職支援を行う事業所ですが、

その事業所の中でも、精神障害者や精神疾患患者に限定して支援を行なっている事業所があり

そのような施設では、復職に関するサポートも行なっておりリワークを受ける事ができます

就労移行支援で行われるリワークの特徴

民間の福祉施設で行われる事から、施設ごとに復職率も大きく異なり、プログラムの内容も特色があります。

その分、自身にぴったりにリワークプログラムを見つける事ができたら大きな効果を発揮します。

また、退職者も対象としているため職業に関連するプログラムも手厚いです。

就労移行支援が行うリワークの場合は、必ず無料体験が可能となっております。

必ず実際に体験してみて利用するのが良いでしょう。

また、職場定着支援など就職後のフォローもかなり手厚いです。

これは、就労移行支援を通じて復職した場合に施設側が受け取れる収益に差が出るためです。

民間の競争を勝ちぬいてきた施設では、ほぼ間違えなく復職率が高いと言えるでしょう。

リワークの利用方法

リワークを利用するにあたり、利用の条件や費用の理解ができたら、リワークの利用方法をご紹介します。

リワーク利用までのステップ

① かかりつけ医に相談する

体調が安定し復職が視野に入ったら、主治医に相談しリワークの利用可否を判断してもらいます。

主治医からリワークの利用ができると判断されたら、リワーク施設を探し始めましょう

このときリワーク先について、主治医や、会社の人事担当者、保健師などに相談することも可能です。

② 利用するリワーク先の選定

リワーク施設は前述した通り、さまざまな団体が全国各地で運営しているため、自宅から通いやすい場所を自由に選ぶことができます

事業所ごとに目的やプログラムの内容、費用は異なるので、自分に合った施設を選ぶことが重要です。

このリワークナビではおすすめのリワーク施設を紹介しています。

 

③利用手続きを行う

利用先のリワーク施設が決まったら、必要な書類などを揃え利用手続きを行います。

施設によっては、医師や会社と連携してリワーク計画を立てていく場合もあります。

基本的には、施設側で利用の手続きは行なってくれますので

施設側に伝えられる必要な書類だけ準備するようにしましょう。

リワークの代表的なプログラム

リワークで実施される復職支援の内容は多岐にわたります。ここでは、リワーク施設で実施されることが多い内容を、目的や意図と共に7つ紹介します。

認知行動療法

心理療法の一つで、自分の考え方の傾向や癖に気づき修正していくことで、感情や行動の変化を促し問題の解決を目指すものです。認知行動療法を行うことで、自己洞察力を高めることができます。

 

生活管理

睡眠時間や体調の変化を記録し、自分自身の体調を客観的に見ることができるようにするためのプログラムです。体調の変化のパターンをつかむことができ、自己管理にも役立ちます。

ソーシャルスキルトレーニング

グループでのディスカッションやプレゼンテーションなどを行い、コミュニケーションスキルの向上を図ります。また、同じような悩みを持つリワーク参加者と交流することで、新たな気づきや考え方を得ることが可能です。

オフィスワークトレーニング

オフィスに近い環境で、資料の作成や資格の勉強などを行います。休職中に衰えてしまった集中力や持続力を高めることが目的です。

キャリアデザイン

復職後を考えたキャリアデザインを行います。これまでのキャリアを振り返り、今後どのように働いていくかを考えます。自分自身のスキルや私生活と仕事のバランスを改めて考えることが目的です。

レクリエーション

集団でのスポーツやゲームを行います。レクリエーションを通じて、体力の回復やストレス解消を図ることが目的です。

 

セルフケア

講義形式で自己分析を行い、自分がストレスを感じやすい状況や原因を探っていきます。セルフケアを行うことで、自己理解を深めることができ、ストレス対処法についても事前に考えることができるようになります。

 

リワークに通う目的

リワークに通う目的は、職場復帰を目指し、復帰後の再休職を防ぐことです。

休職中の生活と復職後の生活には大きなギャップがあり、復職することでそれまではなかった通勤での体力負荷や人間関係などのストレスが一気にかかります。

一定期間リワークに通うことで、復職後のギャップを少しでもなくした状態で復職できるようになります。

 

ほかにも、プログラムを受けることで自己理解を深め、ストレス対処法を学びセルフケアを身に着けることが可能です。セルフケアを身に着けることは、長く働き続けるためにも重要です。

リワークを利用するメリット

ここまでで、リワークプログラムの内容や、目的について解説してきました。

ここでは、リワークを利用するメリットを3つ紹介します。

 

復職するための準備ができる 

リワークに通うことで、復職に向けた心と体の準備を行うことができます。

毎朝決まった時間に起きリワーク施設に通うことで、生活リズムが整い、体力を回復させることが可能です。

 

日中はオフィスに近い環境で過ごすことができ、復職後の環境変化のストレスを減らすことができます。休職中の状態から仕事の環境に慣れていくために、オフィスワークに試験的に取り組むことができることも、リワークに通う1つのメリットです。

 

リワークプログラムを通じて、自己理解を深めることや、ストレスをうまく対処しながら働く方法などを学ぶことができます。そのため、プログラムで学んだ内容は復職後も活かすことができます。

 

さらに、リワークは最初から週5日通わなければいけないわけではなく、最初は週2回、徐々に慣れてきたら3回、4回と段階的に増やすことも可能です。そのため、休職者自身も復職に対し自信をつけることができます。

 

専門のスタッフによるフォローを受けることができる

リワーク施設には、復職支援専門のスタッフが在籍しています。経験のあるスタッフと共にプログラムを行っていくため、常に客観的な立場からのアドバイスをもらうことができます。フォローを受けることで効率よく復職準備を行うことができるでしょう。

 

また、医療機関が実施しているリワーク施設には精神医療の専門家が在籍しています。そのため安心感をもってプログラムに取り組むことができるでしょう。疾患に関する正しい知識を学ぶこともできます。

 

復職するにあたり、再発しないためのスキルや知識を身に着けてから職場に戻る必要があります。しかし、休職したことへの自責の念や復職への焦りから、ひとりで適切な復職のタイミングを見極めることは容易ではありません。リワークに通うことで、専門のスタッフと共に復職に必要な知識を身に着け、適切なタイミングで復職することが可能になります。

 

同じ悩みを持った仲間と知り合える

リワークに通う人は、復職の意思を持った休職中の方です。似た状況の方が集まるため、自分の話を聞いてもらうことや、相手の話を聞き、考え方の違いやストレス対処法などさまざまなことを学ぶことができます。自分の考えの偏りを指摘してもらえる良い機会でもあります。

 

また、リワーク中に体調が思うように回復しなかったり、プログラムを休んでしまったりなどで辛くなってしまうこともあるかもしれません。そのような時でも、仲間がいることで辛い思いをしているのは自分だけではないと感じ励まされることもあるでしょう。

 

同じ悩みを持つ仲間と共にプログラムをこなし、復職を目指すことができるのはリワークに通う大きなメリットです。

リワークを利用するデメリット

ここまでで、リワークを利用するメリットについて紹介してきました。では、リワークを利用するのにデメリットはあるのでしょうか。

ここでは、デメリットを2つ紹介します。

 

一定期間通う必要がある 

リワークに通う頻度は、週2日~週5日が一般的です。回復の度合いによって頻度が決まることが多く、トータルの通所期間は3ヵ月~6カ月程度となることが多いです。この期間が過ぎたらすぐに復職しなければいけないというわけではなく、その時の状態と本人の意思をすり合わせて復職のタイミングを決めていきます。また、プログラムの途中でも状態が良くなり復職を希望する場合は、復職が可能です。

 

さまざまなプログラムをこなすためには時間がかかるため、早く復職したいと考えている方にはデメリットに感じられるかもしれません。

 

種類によっては費用がかかる

リワーク施設の利用料は、施設によって異なります。

地域障害者職業センターが行う「職リハリワーク」は、基本的に利用料金はかかりませんが、施設によっては費用が発生するところもあります。

 

そのほかの施設では、「1か月の利用日数」×「施設ごとに定められた料金」が発生することが一般的です。前年度の収入によって自己負担の上限額が決まっており、1か月\9,300~\37,200程度で利用することができます。

 

また、リワークへ通う交通費や昼食代なども別途費用として発生します。そのため、リワークを利用する場合はご自身の前年度の収入を確認し、費用はどのくらいかかるかを確認しておくことも必要です。

休職中に出費があることがデメリットに感じられる方もいるでしょう。

 

リワークに通うことで得られる効果

リワークでは、一定の期間施設へ通い、専門のスタッフのフォローを受けながら復職への準備を行うことがわかりました。

ここでは、リワークに通うことで得られる効果を4つ紹介します。

 

規則正しい生活を送ることができる

プログラムは基本的に午前中から始まり、昼休憩をはさみ午後まで行われます。そのため朝は決まった時間に起床し、作業を行うためにも3食しっかり食事をとることが必要です。

 

休職の初期は療養がメインとなるため、長時間睡眠になることや、食事を抜いてしまうこともあるかもせれません。しかし、復職するためには毎日同じ時間に寝て起きて、3食しっかり食べる規則正しい生活を送ることが重要です。リワークに参加することで、規則正しい生活を少しずつ取り戻していくことができるでしょう。

 

また、プログラムは施設で実施されるため、通所する必要があります。一定期間通所することで、体力を回復させることも可能です。

生活リズムを整え、運動不足を解消することで、復職をスムーズに行うことができるでしょう。

 

復職する負担を軽減することができる

休職していた方が急に復職してしまうと、日常生活も一気に変化します。通勤や、職場での人間関係によるストレスがかかることで、少しずつ回復していた症状も再び現れてしまうということも少なくありません。復職後は、疾患の再発を防ぎ再度休職してしまうことを防ぐことが重要です。

 

リワークに通うことで、徐々に通勤の体力をつけることができます。プログラムの中では個人作業や集団での作業を行い、ストレスがかかる環境に慣れることができます。また、ストレスに対する考え方や、対処法を身に着けることができるため、復職にかかる負担を軽減することが可能です。

 

セルフケアを学び、自己理解を深められる

リワークプログラムの中では、認知行動療法やマインドフルネスなどの心理療法を学ぶことができます。自分がどのような場面でストレスを感じるのか、ストレスにはどのように対処したらよいのかを学び、セルフケアのスキルを身に着けることができます。

 

また、参加者と共にプログラムを行うことで、他者と自分の考え方の違いに気づくこともできるでしょう。自分の思考の癖や、行動パターンなどを認識し少しずつ変えていくことで、日常生活で感じるストレスを減らすこともできます。心理療法による訓練を通じて、自分に対する理解を深めることも可能です。

 

リワークプログラムを通じ、セルフケアを身に着け、自己理解を深めることができます。そこで身につけたスキルは、仕事だけでなく今後の人生の中でも活かすことができるでしょう。

 

復職後の再発予防につながる

厚生労働省の調査によると、うつ病の再発率は60%もあり、その後再発を繰り返すとさらに再発率が高くなるとされています。そのため、復職後に再休職してしまう人は少なくありません。

 

再休職に至る要因として、完全に回復していないにも関わらず復職の判断を焦ってしまったということや、復職直後からがんばりすぎてしまうこと、また、体調が悪化しても周りに気を遣ってしまい我慢してしまうことなどがあげられます。

リワークに参加することで、再休職に至る要因を事前に防ぐことができます。

 

リワーク施設には専門のスタッフが在籍しているため、休職者本人が焦って復職しようとしていることを見抜くことができるでしょう。また、復職直後の働き方や注意点についても、事前に教えてもらうことができます。さらにリワークを通して生活管理などを行い、自身の体調変化に敏感になることで、体調が悪いのに無理してたくさんの仕事を引き受けてしまうことなども防ぐことが可能です。

 

リワークプログラムの費用 | まとめ

この記事では、リワークプログラムのかかる費用を中心に、それぞれの特徴などを解説いたしまし。

プログラムの内容や特徴、費用については施設によって異なるため、事前に見学したり問い合わせたりして調べておくことが重要です。

 

休職中で症状が回復してきた方や、これからリワークを利用することを考えている方の参考になれば幸いです。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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