「公務員として働いてるけど、休職してしまった」
「公務員でもリワークプログラムは利用できるの?」
公務員に限らず、働いている中でうつ病などの精神疾患で休職した際に利用したいのがリワークプログラム。
でも、公務員はリワークプログラムを利用できないって聞いたけど、実際の所どうなの?
結論!:リワークは公務員も利用する事ができます!
(一部の制度のリワークのみ利用できない。)
そこで今回は、休職中の公務員の方に向けて
リワークプログラムの利用方法から利用できるリワークとできないリワークについて丁寧に解説致します。
リワークの種類と公務員が利用できるリワーク
リワークとは、(return to work)の造語で、主に休職者に向けた復職支援プログラムを指す造語となります。
従って、リワークという制度はなく
国や医療機関、福祉事業所で行われる復職支援プログラムの事を指します。
主に以下の3つの実施主体が復職支援プログラムを提供しています。
制度名 | 実施場所 | 根拠法 |
精神科デイケア等 | 精神科クリニック | 精神保健福祉法 |
就労移行支援・自立訓練 | 福祉施設 | 障害者総合支援法 |
職場復帰プログラム | 地域障害者支援センター | 地方公共団体 |
今回はリワークを公務員の方が利用する場合について解説しておりますので、
リワークの対象や条件につきましては以下の記事をご覧ください。
公務員の方が利用できないリワーク
この中で、地域障害者支援センターで無料で受ける事ができる職場復帰プログラムは公務員の方は受ける事ができません。
こちらは、主に雇用保険適用事業所で働く方を対象にしたプログラムとなるからです。
医療機関や福祉施設で行われているリワークは受講する事が可能です。
だからといって、リワークを受けるのに不足する事はなく
むしろこれら二つの実施主体で行われるリワークは、様々な特色がある事が多く
ご自身にあったリワークを探すのが重要なポイントとなります。
私は民間の福祉施設で行われるリワークに携わっていましたが、
民間の場合は復職者数で次年度の国からもらえる報酬が変わってくるため
施設の健全な運営のためにしっかりとリワークで実績を出し
公表している所が多いです。また、無料体験も可能となっております。
また教職員の地方公務員の方などは、各教育委員会が復職プログラムを行なっているので
そちらを活用するのも検討ください。
公務員が利用するリワークの費用負担
公務員の方であっても、費用は負担は通常の会社員の方と同じになります。
福祉施設で行われるリワークについては前年度の所得に応じて決定されます。
医療機関で行われるリワークについては、前年度の所得に応じて最大の自己負担が決定されます。
より詳しくは以下のページを参照ください。
公務員の休職からリワークの利用までの流れ
では、現在の休職を検討している公務員の方や休職中の方に向けて
実際の休職からリワークを活用した復職までの一連の流れを解説致します。
公務員に関して、大きく国家公務員と地方公務員に分けれますが
地方公務員の方をベースに根拠法律と共に解説致します。
国家公務員の方も原則、同じ流れなどで参考にしてください。
参考:地方公務員法の休職規定
医療機関を受診し、主治医より診断書の発行を依頼する。
休職するにあたり診断書の提出が必須となります。
そのため、精神の異変を察知したらいち早く精神科を受診し
医師に療養機関に関する診断書を依頼します。
その際、長期療養を必要とする旨のほか、必要な療養期間(見込み)を明記するよう
必ず依頼してください。
休職に関する診断書は以下のようなものになります。
所属の上司に診断書を提出する。
取得した診断書を、所属する課の長に提出します。
翌日から療養に入る形となります。
この際可能であれば、ご家族や親族にしっかりと事情を説明し
完全な療養に努めてください。
急性期と呼ばれる、初期症状の頃はなにもせずとにかくゆっくり休む事が重要となります。
しっかりと療養し、回復期に入ったらリワークなどを検討する。
病気が発症した急性期の間はとにかく回復に務める事が重要となります。
そして、体調の回復を感じてきたら
自身が回復期にあるか自己判断せず主治医に判断を仰ぎましょう。
もし、無事に回復期にあると判断されたらこのタイミングでリワークの利用の検討に入ります。
リワークプログラムの利用を検討する
実際に自身にあったリワーク施設を検討します。
前述の通り公務員の方は、
医療機関もしくは、福祉施設でのリワークの利用になりますので、
実際に見学や体験を行って選ぶようにしましょう。
リワークの目的は再発防止の観点で最も重要となります。
リワークの利用の有無で3年後の就労継続率に大きな差が出ます。
見学・体験の際には以下の項目は必ずチェックしましょう。
- 実際の復職率の実績た就職継続率
- 自身が無理なく取り組めるプログラムか?
- 他の利用者のモチベーションは高いか?
- 自身が興味を持って取り組めるか?
また、こちらは大阪の例ですが
どのようなリワークの種類があるかまとめております。
リワークプログラムを利用する。
長期間の療養生活を経た体にとって、リワーク初期は最もしんどいものとなります。
初期の目標は体力を取り戻す事です。
初期さえ乗り越えれば、あとはしっかりとプログラムを消化する事で復職に一歩づつ近づいていきます。
一般的なリワークのプログラムは以下のような順序となります。
- 生活リズムを整える
- 休職に至った事自己を分析・認知する
- 対処法を身に着ける
基本的には上記ステップで進んでいきますが、それらの内容がリワーク施設により異なります。
平均として、3〜7ヶ月程度のリワークプログラムとなっております。
リワークプログラムで復職について自信がついたら、
次項の試し出勤制度を活用しましょう。
公務員の試し出勤制度
地方公務員、国家公務員共に試し出勤制度なるものがあります。
この制度は1ヶ月以上病気療養している人が対象なり、復職可能と判断される程度に回復した職員に向けて
実際に元いた職場にて、原則1ヶ月以内を目処に出勤します。
ここでは実際に業務を行う事はできず
(共済組合からの傷病手当の停止や労災の観点から)
通勤の訓練や、業務以外の作業を行う形となります。
試し出勤を希望する場合は、「試し出勤」実施申請書という書類を総務よりもらい
主治医に記載してもらい、所属の上司に提出します。
試し出勤のプログラム内容は、各役職の職場復帰委員会が産業医、主治医、総括安全衛生管理者、衛生管理者など意見を踏まえながら策定していく形となりますが
この期間を得て、復職となります。
公務員の復職後は気まずい?
やはり精神疾患での復職を考えた時に、復職後の気まずさから退職を考えてしまう方も多いと思います。
しかし、休職は珍しいことではなく
地方公務員の10万人あたり約1400人もの方が精神疾患により休職に至っております。
(2017年度地方公務員健康状況等の現況 調査結果より)
その数は、10年前の1.4倍となっており決して珍しい事ではありません。
国家公務員では、長期病休の理由の1位となっております。
従って、気まずさなどはより症状を悪化させる思考でしかなく、同じように苦しんでいる方がたくさんいて
リワークに行けば同じような心境の仲間と出会え、またそのような意識を改善するプログラムもあります。
今、この瞬間にも誰にでも起こりうる事だという意識を持ち
自身のペースで焦らず復職に取り組むようにしましょう。
公務員のリワークについてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は公務員のリワークの利用可否と流れについてまとめました。
リワークの最大の目的は再発防止、復職後も長く働き続ける事にあります。
この記事を通して、皆さまが自身にあったリワークを選べるように願っております。
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